アコム「みるコンサート物語」で広がる鑑賞の機会
この度、アコム「みるコンサート物語」のアクセシルブル・デザインに関わらせていただくことになりました。みるコンサート物語は、舞台に手話通訳を取り入れた音楽と影絵の公演です。スタートしたのが1994年とのことですので、もう30年近く続いている活動になります。
「みるコンサート物語」は、民間企業による社会貢献活動です。そのため、アコムの社員さんたちが自分たちで劇場の選定から予約、申し込みなどの業務を担います。会場によっては、同じ日に複数の利用希望者がいるため、抽選になる場合もあります。なかには現地に行って抽選会に参加しなければならない会場もあります。あたりまえですが、抽選に外れると利用できません。さまざまな地域に活動を届けたいと思いながらも、会場予約という制度がそれらを阻んでしまっていることもあったようです。
一方、劇場側は「障害者差別解消法」や「障害者による文化芸術活動の推進に関する基本的な計画」「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」などによって、社会包摂という新たや役割を果たしていかなければならなくなりました。しかし、これがなかなか進んでいないような、、、
そこで、障害のある人たちの鑑賞の機会を地方にも拡大していくために、民間企業の社会貢献活動である「みるコンサート物語」を活用させていただくことで、双方にとってよいカタチになる方法をはないだろうかと考え、アコムさんと全国公立文化施設協会(公文協)さんをつなぎ、公文協さんに劇場とのマッチングをお願いしました。その結果、いろいろな劇場・文化施設が手を挙げてくれ、連携によって取り組みを拡充することにつながりました。
2023年度「みるコンサート物語」では、新たに次の鑑賞支援サービスが全公演に導入されます。
・メガネ型字幕サービス
・音声ガイドサービス
・視覚支援サービス(舞台の様子を手元で見ることができるサービス)
このことによって、地域の障害のある人たちが劇場に足を運び、舞台芸術に触れるきっかけになれば嬉しいです。それと同時に、劇場側にとっても障害のある人たちを迎えるきっかけや鑑賞支援サービスを知るきっかけになることを願います。