改良版 座席カバー型タブレットホルダー
2021年9月8日(水)、9日(木)の2日間にわたってKAAT神奈川芸術劇場プロデュース「近松心中物語」にポータブル字幕端末の貸出サービスが実施されます。KAATでは、今年1月の公演「セールスマンの死」に続いて2回目のポータブル字幕機貸出サービスになります。
1月の公演では、聴覚障害当事者や福祉施設の方からさまざまなご意見をいただくことができました。その一つが「タブレットの高さ」の問題でした。
視線の移動を減らす
鑑賞中にポータブル字幕機を手で持っているのはとても大変。そこで、KAATと共同で座席カバー型タブレットフォルダーを開発したのですが、実際に利用いただいたお客様からは「ポータブル字幕機の位置をもう少し高くして欲しい」という意見がありました。
ポータブル字幕機の利用者は、舞台と字幕を交互に見ることになります。そこで発生する問題が”視線の移動”です。舞台を観るときには目線を上げ、字幕を見るときには目線を下げる。この動きが少ない位置までポータブル字幕機の高さをあげることが、よりよいサービスにつながることを教えていただきました。
そこで、再びKAATと共同して座席カバー型タブレットフォルダーの高さをあげる工夫に取り組みました。今回、改良した点は次の通りです。
- 座席カバー内側にウレタンを入れて(15センチ)嵩上げする
- 嵩上げした高さだけ座席カバーの丈を長く作り直す
- 強度を補強するための芯を座席カバー内側に入れる
客席の勾配は劇場によって様々
劇場によって客席の勾配はさまざまです。座席位置によっても異なる場合があります。もっといえば、座席の形状も異なるので、座席カバーをつけることのできない劇場もあります。
よりよいサービスに発展させていくためには、環境や利用者に合わせて工夫することがとても大切です。